自閉症児の育て方 ~専門家ではなく親だからわかること~

東大王に勝る知能と若干の透視能力を持つ父親が、重度自閉症児♂️を育てきた経験から感じたこと、やるべきこと、やってはいけないこと、etc.をまとめたブログです。健常児の養育に通じる内容もありますので、参考にしていただけたら幸いです。

いちばん重要な言葉は「ダメ!」

「パパ」と息子自身の名前以外で、最初に覚えさせようとした言葉は「ダメ」でした。

とにかく、言葉が通じないのであれば、感情で、波動(声を伴う)で、表情で、コミュニケーションするしかないと、とにかく「ダメ」という言葉だけは理解させないと命に関わると思いました。それに善悪がわからないのであれば、「パパの言うことは絶対に従わなければならないのだ」と教え込まなければいけないと思いました。怖い存在でなければならないと(なので今でも私の言うことには素直に(たまにしぶしぶ)従います。)

「ダメ」という言葉の意味(そう言われたら、今していること・しようとしたこと・直前にしたことをしてはいけないのだということ)を理解させるために、「ダメ」と言ったら必ずその行動をやめさせ、絶対に許しませんでした。

 

息子が2歳の時だったと思いますが、歩道を歩いている時に急に車道に飛び出したので、すぐに「ダメ!」波動砲を発射しました。すぐに歩道に連れ戻し、しゃがんで肩をつかんで鬼の形相で目を睨み付けながら「車道に飛び出したらダメ!わかった?」車道を指差しながら怒りの波動をぶつけました。言葉は分からないでしょうが「あの指差してる場所ダメ」ぐらいは伝わったかもしれません。(コクンと頷ける子だったら、良い子良い子と頭をなでて、抱き締めてあげたらいいと思います。)それ以降は、手をつないで離さないようにしたこともあってか、車道に飛び出すことはありませんでした。

異食もあり、保育所の砂場で砂を食べたり、石鹸を食べたり……。おいしいわけないのに、なんででしょう?でも雷を落とし続けたら、すぐにしなくなりました。

(熱いやかんに触ろうとした時も「ダメ!」。これは健常児でも同じですが、やけどをしない程度の少しだけ熱い物に触らせて「あちちだよ」という言葉を理解させるようにしました。)

 

そのかわり、息子に何度も「クレーン」で引っ張られて玄関のドアの外に出され、ドアを閉められました。

でも、愛情をもって接していればいつかわかってくれると信じて「ダメ」を言い続け、食べ物の好き嫌いも、食べすぎも飲みすぎも、『おかあさんといっしょ』の録画の見すぎも、夜寝ないのも許しませんでした。(でも「おりこうさんだね」もちゃんと言いましたし、一緒に遊びもしました、子守歌を歌ったり足や手のマッサージをして寝かせつけましたよ。)

 

息子が3歳の頃だったと思いますが、いつものように自転車の後ろに息子を乗せて移動していた時に、背中に息子のおでこと頬が押し付けられるのを感じました。私にもたれかかったのは、それが初めてのことでした。初めて甘えてくれたと嬉しく思いました。それ以降、だんだんと息子は目を合わせてくれるようになり、初等部入学前の春休みには二人で伊勢まで行ってさらに絆を深め、息子は私の顔を、目を覗き込んで笑って、「楽しいアピール」をするまでになりました。

 

なので、心おきなく「ダメ!」と言ってください。

でも必ずその行動をやめさせてください。

 

「ダメよ~」みたいな、言ってみただけという感じで「ダメ」を使っては絶対にダメ(笑)です。「しょうがないわねえ(あと1回だけ/あと1個だけ)」とやめさせないのなら、「ダメ」と言ってはいけません。

 

専門家の中には「ダメ」は意味がない(次の行動を指示する必要がある)とか言う人もいますが、それは「ダメ」と言う必要もないことに「ダメ」と言っているのだと思いますし(「おしまい」で良いのでは?)、「ダメ」という言葉がすでに効力をなくしてしまっているのではないでしょうか。

 

ダメなものはダメ、ならぬものはならぬのです。